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製品一覧実務メモ / 送達の効力と期限の起点

送達の効力が生じる操作と、
期限の起点

通知が来た日を起点に置けば、落としません。

要点
  • 通知が来たら、その日を送達日とみなして期限を立てる。実際の送達日がこれより前になることはない。
  • 実際の送達日は、誰かが取得した日か、通知が発せられた日から7日か、早いほう。
  • 誰がいつ取得したかはアクセス状況画面で確認できる。ここで期限を確定させる。
  • 重要書面が来ている時期は未印刷物一括印刷を使わない。事件をまたいで全部取得してしまう。
  • 補助者がいると、取得しうる人が最大6人になる。記録は親ユーザ名義で付く。

システム送達は、こちらが何もしなくても効力が生じます。だから「開かない」は期限を止める運用になりません。落とさないための構えは、起点をどこに置くかで決まります。

起点は「通知が来た日」に置く

効力が生じるのは、次の三つのうち最も早い時です(改正民訴法109条の3第1項)。

送達対象のデータを閲覧した時
データを使用する電子計算機のファイルに記録した時(ダウンロード)
閲覧又は記録ができる措置をとった旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時

③は時間だけで決まります。誰も何も押さなくても、7日で効力が生じる。ここが要注意で、開かせない運用を敷いても期限は止まりません。

逆に、①②はもっと早く来ます。通知が来た当日に誰かが開けば、その日が送達日です。つまり実際の送達日は、通知が来た日から、その7日後までの間のどこか。それより前になることはありません。

だから、通知が来た日を送達日とみなして期限を立てておけば、落としません。実際の送達日が後ろにずれるぶんには、期限が延びるだけです。

なお mints には、控訴期間の末日を表示する機能はありません。計算はこちらでするしかありません。

どの操作が「取得」に当たるか

操作マニュアルは、記録が付く瞬間を操作ごとに書き分けています。データを生成させただけでは付きません。取得した時に付きます。

操作記録が付く瞬間
プレビューボタン押下時
単一ファイルの印刷印刷ボタンのあと、OKボタン押下時(初回)
複数ファイルの印刷「印刷データの生成が完了しました」のお知らせ押下時(初回)
結合ダウンロード「ダウンロードデータの生成が完了しました」のお知らせ押下時(初回)
未印刷物一括印刷同じくお知らせ押下時。印刷された全ファイルに付く

未印刷物一括印刷について、マニュアルは括弧を付けてこう書いています。「アクセス状況の記録(閲覧又はダウンロードしたことの記録)が付されます」。①②の文言そのものです。

未印刷物一括印刷だけは、性質が違います

根拠は、このボタンが「事件一覧画面」にあることです。自分が関与している事件が全部並んでいる画面で、その下にこう書かれています。

あなたの関与している事件に提出されたファイルのうち、まだ印刷されていないものをすべて印刷します。ただし、あなたが提出したファイルは含みません。

そして事件を選ぶチェックボックスがありません。押すといきなり「印刷データの生成を開始します。よろしいですか?」が出るだけです。マニュアルの手順も、(1) 事件一覧画面でボタンを押す、(2)「開始」を押す、の二段階しかなく、対象を絞る操作がそもそも存在しません。

事件一覧 裁判所 事件番号 肩書 最終アップロード日 東京地裁 民事◯部 令和8年(ワ)第◯◯◯号 原告代理人 2026/08/28 大阪地裁 民事◯部 令和8年(ワ)第△△△号 被告代理人 2026/09/01 あなたの関与している事件に提出されたファイルのうち、 まだ印刷されていないものをすべて印刷します。 ただし、あなたが提出したファイルは含みません。 未印刷物一括印刷 事件を選ぶ欄がない =この画面に並んでいる事件が、すべて対象になる ボタンは一つだけ 押すと「生成しますか?」が出るだけ
説明のための模式図です(Lean Tech Library 作成)。実際の画面は、操作マニュアル〜当事者ユーザ編〜92頁をご覧ください。

A事件の書面を印刷するつもりで押しても、B事件の未印刷ファイルが一緒に取得されます。そこにB事件の電子判決書が含まれていれば、それも。

対象になるもの、ならないもの

入る関与している全事件の、まだ印刷していないファイル(相手方が出したもの、裁判所が上げたもの=調書・電子判決書を含む)
入らない自分が提出したファイル
形式印刷できるのはPDFのみ。JPEG・PNGはダウンロードして印刷

印刷を溜めるほど、巻き込む範囲が広がります

個別に印刷したファイルは、その後この機能の対象から外れます。裏を返すと、印刷を後回しにしているファイルが溜まるほど、一括印刷を押したときに一度に取得される範囲が広がります。

個別に開くときは「これは今日は開かないでおこう」という判断が働きますが、この操作にはそれがありません。重要書面が来ている時期は使わない。そして、溜めない。

「開始」を押しただけなら、まだ止まっています

未印刷物一括印刷は二段階です。ボタンを押すと「印刷データの生成を開始します。よろしいですか?」が出て、「開始」を押す。ここではまだ何も起きていません。

そのあとホーム画面の「重要なお知らせ」に生成完了が出ます。これを押した瞬間に、印刷された全ファイルへ一斉に記録が付きます。

誤って「開始」を押してしまっても、お知らせを押さなければ、まだ間に合います。

いつ取得されたかを確認する

記録一覧のステータス欄にあるアイコンから、アクセス状況の画面を開けます。個別のファイルについて、誰がいつ閲覧・複写したかを確認できます。

期限を確定させるのはここです。仮に置いた起点を、実際の日付に置き換えます。

補助者アカウントがある場合

補助者が閲覧・ダウンロードした時点で、親ユーザである弁護士について効力が生じます。アクセス記録も親ユーザ名義で付きます。

1人の弁護士に5名まで紐づけられるので、取得しうる人が最大6人になります。事務所の運用としては、この6人が同じ理解を持っているかどうかが、そのまま期限管理の精度になります。

ここに書いたのは、裁判所の資料にある操作と記録の対応です。事務所の運用をどう決めるか、期限をどう管理するかは、各事務所のご判断になります。手続の解釈については、ご自身で一次資料等に当たってご確認ください。
参照した資料 民事裁判書類電子提出システム 操作マニュアル 〜当事者ユーザ編〜(2.3版・2026.07.15改訂)63頁、73〜76頁、92〜93頁
民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引(最高裁判所事務総局民事局・R8.6.19版)9頁、18〜19頁、35頁
いずれも裁判所ウェブサイトで公開されています。令和8年9月2日に最新版を確認しました。運用は変わりますので、最新版をご確認ください。

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